キングダム 秦王嬴政の中華統一論に学ぶ全員Win-winになるための交渉戦術
交渉と聞くと「勝負け」の印象がありませんか?漫画キングダムでは、秦王嬴政の交渉手法はとてもクリエイティブで、全員がWin-Winになる方法です。中国を法治国家として納めれば、自分の代で中華から戦争が無くなると説いています。キングダムの様に全員が勝つ方法の導き出し方があります。この交渉法を用いて、秦王嬴政の様に全員に利益をもたらしましょう。
キングダムの議論の背景
キングダムでは、中国7ヶ国が戦争を繰り返し、血で血を洗う様な状況が続いています。
各国王は、戦争の無い中華を目指しているが、戦争終結の解が見い出せない。反面、中華統一し、1つの国にすれば争いは起きない。一方、戦争で滅ぼされた国の市民は強制的に他国支配下になるため、1国になるが争いは続く、というのが反論です。「今後戦争をしないための直近の戦争」と言う矛盾が生じ、中華統一には武力が必要な事も事実としてあり続ける。
中華統一をせずして、7か国でも中華を一つにするアイデアとして「貨幣での中華統治」を主張する者もいます。
一方、後の秦の始皇帝、秦王嬴政(エイセイ)が見出した、矛盾と反論の解決策は、7ヶ国を武力でつぶし統一を果たし、法によって中華を統一する、つまり法治国家を心ざしている。どの王が支配するわけでもなく、永続的に戦争の無い平和な国という共通のゴールを目指す7か国にとって、法律が人間の上に立つという関係が、7か国のゴールを達成するためのWin-winの関係とも言えます。
交渉はプレーヤーの数が増すほど大変になります。まして今回の背景は7プレーヤーが存在しています。相当卓越したアイデアでないと各国動かせない事が見て取れます。さて、この法治国家と言うクリエイティブな手法を見出した議論、交渉の戦術を見ていきましょう。
交渉戦術:パイを拡げる
説明:市場を拡げ、皆が利益を得られる方法を模索
・交渉を勝負けのゲームから、協働すると両者とも利益が得られるWin-Winのシナリオに変える
・「あなた」「私」ではなく「私達」という言葉を使う
・協働することでさらに成功し利益が得られる共通の問題と捉える
例
・競合会社同士が業界の相違点を解決し標準促進に同意。それが総顧客数を増加させ両者により大きな市場を創出
・休日を取合する夫婦が、状況を「一緒に旅行へ」という共通目的と捉え、夫が出張に出かける際は妻も同席という、取合いから共通目的へシフト
ディスカッション
・多くの交渉は、どちらか一方が全てを得て、一方は同等の物を失う、勝負けの場だと考えられがち
・最悪のケースは、交渉が主張の不一致から個人的な問題に発展すること
・しかし、交渉は協力すれば両者が利益を得ることは可能
・協働してパイを大きくすれば、同じ割合で分けても全員多くのパイを得る
おわりに
交渉ではゼロサムゲームではなく、全員が強調し協力すると市場自体が広がり全員に利益が上がる方法を模索しましょう。今回の、秦王嬴政(エイセイ)が見出した、法治国家説は、永続的な戦争の無い平和な国という共通のゴールを目指す7か国にとってゴール達成のためのWin-winなアイデアでした。交渉を学ぶと、よりクリエイティブになれますね。